前回はスラム街を走るフィリピン国鉄の映像を紹介いたしました。
現在は韓国の政府開発援助(ODA)によってマニラ市のTutubanからラグーナ州のBinanまでの39.76キロの整備事業が終了し、以前とは比べ物にならないほどきれいになりました。
以前の線路はグニャグニャでいつ列車が脱線してもおかしくない状況でしたが、今回はコンクリート枕木に交換して、路盤にはしっかりとバラスト(砕石や砂利)も入っています。
整備事業のおもな内容は以下の通りです。
①新車両6編成(合計18両)の導入
②Tutuban~Alabangの軌道修復
③Sucat~Alabangの複線化
④鉄橋・駅舎の修復とプラットホームの改修および新設
⑤操車場、整備施設の改良
⑥信号、通信システムの設置
新車両はDMUと呼ばれています。Diesel Multiple Unitの略称で3両で1編成になっています。このDMUは韓国製で、1編成あたりの価格は1億ペソと言われています。1両目と3両目にディーゼルエンジンが搭載されており、1編成あたりの定員は500人で、全車両エアコン付きです。
囚人護送車のような厳つい金網は、投石よけに付けられたものです。
フィリピン国鉄では、沿線の住民が列車に向けて投石することはよくあることで、車両はいつも傷だらけ。実際、ディーゼル機関車も運転席の窓ガラスにヒビが入っているのもありましたよ。
現在は線路敷地内に住んでいたスクワッター(不法占拠者)の家が撤去されたため、投石もやや少なくなるかもしれませんね。
営業運転は2009年7月15日から開始され、2012年3月現在ではTutuban~Binanが一日1往復。 Tutuban~Alabangが一日23往復しています。
朝の5時から夜の7時まで約30分間隔で運行されていますから、以前と比べて格段に利用しやすくなりました。
YOU TUBEにこのDMUの試運転の映像がありますので紹介します。
Pasay Road駅からTutuban駅までの試運転の様子がパート1からパート4に収められています。線路もきれいに整備され、沿線のスクワッター街も無くなっているのが映像でわかります。
駅舎やプラットホームも新たに改修され、かなり快適になりました。
列車の速度も格段に速くなったのがよくわかりますね。
↓トロッコをあわてて線路から降ろしている光景が映っています。
以前のようにノロノロ運転で無いし、列車の本数がめちゃくちゃ増えたので、
トロッコ営業は難しくなるのではないでしょうか。
おまけは営業開始日の映像です。
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